集団の行動が苦手です。
コミュニケーション能力がおっそろしく低いので、
人との距離が測れません。
いい人に見られたいのでセンサーを張り巡らせて人に対応し、
勝手に疲れちゃう、みたいな。
夫が、運転しなくて楽ちんだから、
パッケージツアーで旅行しようと言うのに、
人に気を使うからやだ～と、二の足踏んでおりました。
コミュ力の高い友達に、
「ゆったりしに行くんだから、人とコミュニケーションなんてしなくていいのよ」
とアドバイスされ、
夫の提示する行き場所、
矢印部分を歩きます！ というのにも惹かれ、
１泊２日のバスツアーに参加しました。
申し込みの順番で、往路のバスは一番前の席でしたよ。
景色良くて、るんるんの遠足気分。
復路は後ろの席でしたが。
名所巡りもおもしろかったですが、
一番印象に残ったのは、なんと人とのコミュニケーションでした。
５人で参加されていた女性たち。
お話もされていましたが、手話も使っておられました。
SLに乗るとき、席は指定されているのですが、
４人で座る座席の私たちの向かいに、５人グループの1人のおば様が座られました。
やや年配の、とても上品な方です。
「大きな声で話しててうるさいでしょう、すみません」とおっしゃるおば様。
「いえいえ、関西のおばちゃんですから、ワタシも友達と一緒のときは声が大きくなりますよ。」 私。
そして、いろいろお話しました。
おば様は、完璧に話されるのですが、
６０歳を越えてから失聴し、人工内耳を埋め込まれているそうです。
自分の声を自分で聴いて発音しないとうまくできないので、
どうしても話す声が大きくなるのだとか。
対面して、お話しすると聞き取り易いけれど、
後ろで話されたり、下を向いて話されたりすると、言葉として掴みにくいのだそうです。
習い事をしに行って、先生が後ろで指示をされたりすると、聞き取れず、
人と違うことをしてしまい、しょうがないと平気な顔をしてみても、
ほんとは、平気じゃないし恥ずかしいし悲しいんです、とにこにこしながら
言いはるんです。
同情でも思い上がりでもありません。
彼女たちの日常での困難さが想像され、
それを乗り越えている人間の深さが感じられました。
５人は手話サークルのお友達で、聴こえる具合も様々なのだとか。
言葉だったり手話だったり、臨機応変に使いながら、
ほんとに楽しそうで、きらきらしてはりました。
たぶん、私には理解できない苦しい状況を共有できるのでしょう。
私は彼女たちがうらやましかった。
これはちょっと違う。
彼女たちの出す幸せオーラが、私も幸せにしてくれた、
というのが近い。
いきいきと話す彼女たちから目が離せないほど。
このごろ昔のようには動けないし、好奇心もなくなってるしで
何を見ても聞いても、あまり感動しません・・・・・・ナニ言ってるんだ私。
すべてが一期一会だ。
旦那ちゃんが楽しいことしようと誘ってくれとんだ。
感謝して体験しようでないかい。
休憩のサービスエリアで、彼女たちの中から、
「これからは月に一度は必ずみんなで旅行しようねっ」と
力強い言葉が聞こえました。
やーもーなんでそんな泣かせるようなこと言うのよ～
ありがとう、ありがとう。
彼女たちが、これからも幸せな旅を続けられますように。
