真夏にこのような、描写はぴんときませんが。
雪の柘榴坂
”あのとき命をつなぎ留めたものは、坂の中途の寒椿の垣根であった。
ひといろの純白の中に、有馬屋敷の椿垣がたわわな紅の花を咲かせていたのだった。”
ほんとはもっともっと感動的で、引用したい部分はいっぱいあるけど、
書くとすぐネタバレになってしまいます~
映画化ですと。
「柘榴坂の仇討ち」 は浅田次郎さんの短編集「五郎治殿御始末」
の中の、それこそ短い物語です。
一語一語をなめるように味わい、
余韻を抱きしめました、ええ、涙とともに。
それが映像化・・・・・・複雑。
かっこいいですね、中井貴一さん。
阿部寛さんも、もちろんかっこよし。
短い物語を、どうやって2時間(より長いか短いかは知りませんが)の映画にするのか
わかりませんが、
これまた短い「鉄道員(ぽっぽや)」を、なかなかうまく映像化していたので、
可能なのかもしれません。
中井&阿部 も素晴らしいし。
ちょっとここで
鉄道員 が映画になったとき、
原作者の浅田さんは、エッセイの中で、
大ファンである高倉健さんや、降旗監督、
共演した俳優さん、音楽の坂本龍一さんに、大感謝、大感激、と書いておられましたが、
ヒロスエのことはなにげにスルーしてはったのよね。
あ、 やっぱり 気に入らんかったんや、と思いましたな。
そして今回、こんな浅田さんの名作中の名作に、
なんでまたヒロスエ使うかなぁ・・・・・・
1人大根がいると、上質なお芝居が、あっというまに学芸会になってしまいます。
「死なせてくださいっ」 と叫んだ三浦春馬 映画「永遠の0」
どっちらけ。
役者さんの好き嫌いは好みがあるので、
ヒロスエに関しては、私の好みに合わない、だけかもしれません。
でもでもでも、演技が下手な人は、論外だと思う。
さて、映画は9月に封切りのようです。
中井さん、阿倍さん、そして監督さんまでも、プロモーションのインタビューでは、
「何も言うな、と言われています」 と言われていたぐらい、
ストーリーは、シンプルです。
ハリウッド映画のように波乱万丈ではありません。
ぜひ、文で味わってみてください。
2人のやり取りの場面、一行一行泣けます。
それから、題名になっている 五郎治殿御始末 も
余韻の残る名作です。