柚木麻子さん です。
キャバクラに勤めるシングルマザーに育てられる”矢島ダイアナ”は、
自分のキラキラネームが大嫌いです。
母親の趣味で金髪に染められているのも、キャラクターの服も嫌いで、
引け目に思っています。
同じクラスになった神崎彩子は、裕福で知的な家庭で育ち、
シックな服を着せられ、母親の手作りの食事で育てられているのですが、
やや不満に思っています。
彩子はダイアナの名前をかっこいいと言い切ります。
金髪もはしばみ色の目もおそろしく素敵だと感じ、
大人のようだ、と思います。
2人は本が好きで友達になり、お互いの家に行きます。
図書館のような彩子の家。
ゲームが自由にできるダイアナの家。
無いものねだりで、相手の家を天国のようだと思います。
キャバクラ勤めのヤンキーな母親に、本好きな子供?
と思われますが、大丈夫、ちゃんと理由はあるんです。
同じ世界で育った人が書いた物語に胸が熱くなることでしょう。
ちょびっと、私のバイブル「丘の家のジェーン」も出てきます、うふ。
甘い少女小説をバックボーンにしながらも、
容易ではない現代社会が描かれており、
現実に生きる昔少女たちにも力を与えてくれるでしょう。
すばらしかった。
「アンの夢の家」で、アンと女中のスーザンは、アンの息子ジェムが一歳になり、
ロンパースからレギンス(これがどいういうものかはよく分からないけれど)になると、
ああ、私たちの赤ちゃんが幼児になってしまう、と泣くのです。
私も孫太郎のロンパースの可愛さに、来年は普通の子供服になってしまうんだ、
今のうちに楽しんでおこう、と、時間の経過を惜しむ気がしておりますよ。
モンゴメリはなんでも知っているのだ。